異世界スローライフ建国記 ――チートじゃなくて地元力で生きていきます。【AI】

小説・創作

iroha-nihohe
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「異世界×スローライフ×ファンタジー」がジャンルの小説が読みたいな!

AI
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わかりました!

1.転生、しかし場所が悪い

気がつくと、俺は巨大な木の根元に転がっていた。頭上には、どこか地球のものより青く光る空。湿った木の匂い。風のざわめき。――どうやら、異世界に転生してしまったらしい。

よくある転生物なら、まずは美少女の案内役とか、チート能力の発現イベントがあるはずだ。しかし、である。「……誰も来ねぇ」何も起きない。周りには、人の気配すらない。

落ち着いて状況を整理する。①服は見慣れた作業着(なんで?)②靴は長靴③手にはなぜか、愛用の草刈り鎌……いや、これ完全に畑の仕事してる時にトラックに轢かれたパターンじゃん。

死んだ記憶はぼんやりしているが、多分そうなのだろう。だが問題はそこではなく――。

「帰れないなら……暮らすしかないよな」その瞬間、俺の頭に浮かんだのは絶望や不安ではなく、むしろワクワクだった。農家の息子として育った俺は、文明レベルが低そうな世界を見ると逆に燃えるタイプなのだ。何なら少し楽しみですらある。

とはいえ、ここで死ぬのはゴメンなので、まずは拠点を作ることにした。

2.謎のスキル「地元力」

周囲を調べると、水場は近くにあるし、日当たりも悪くない。土を触ると、粘土質だが畑にできないほどではない。「この土地、悪くねぇな」なんとなく土地の性質を判断できる。これは農家あるある能力……なのだが。

その瞬間、俺の視界に半透明の文字が浮かんだ。

――スキル【地元力(じもとりょく)】が発動しました。

「なんだこれ!?」チートじゃない、が、地味に便利そうだ。どうやら俺の“農家としての経験値”がスキル化したらしい。

効果はこうだ。

●土地の性質を把握できる

●植物の適性を読める

●季節の流れを予測できる

●天気の変化の兆候を察知できる

●ついでに近所のおっさんレベルの雑談スキルも上がる(なぜ)

「……これ、普通の異世界チートより強くね?」魔法戦闘では全く役に立ちそうにないが、スローライフを送るなら最高のスキルである。

3.モンスター、だけど弱い

気持ちよく木を切っていたら、背後からガサッと音がした。振り返ると、犬のような狼のような、やけにモフモフした生き物が立っていた。

「ガルルル……」まあ、完全にモンスターである。恐怖が走る……と思ったが、なぜか俺の脳内に次のような情報が流れ込んだ。

――魔獣フワウル。危険度:低。驚かすと逃げる。――好物:木の根。相性:良い。

「相性良いって何だよ!」地元力スキル、情報量が多い。

試しに木の根を掘って差し出すと――。「きゃむっ!」噛んだ。可愛い。そのままモフモフが俺の後をついてくるようになった。

「……お前、飼うか?」 「きゃむ!」 言葉を理解してるっぽい返事が返ってきた。こうして俺の相棒が一匹できた。名前は――。「うーん……フワ」「きゃむ!」 満足そうなので決まりだ。

4.スローライフのはじまり

まずは畑。木を切り、土を耕し、石を取り、肥料代わりの腐葉土を集める。地味だが、楽しい。異世界でも農作業は裏切らない。

「フワ、水持ってきてー」 「きゃむ!」 フワは頭が良いので、水桶を引っ張ってくることくらい余裕だ。

そして驚いたことに、この世界の作物は成長速度が早い。例えば、植えた翌日に芽が出て、三日後には葉が広がり、一週間もすれば収穫できるものまである。

「これ……農家の夢じゃん」ただし、味は少し薄い。そこで地元力スキルを使うと――。

――この土にはカルシウムと窒素が不足しています。――木灰を混ぜると改善。

「おっ、木灰なら昨日の焚き火のがあるな」試してみると、たしかに味が濃くなった! この世界の人々は、こういう土づくりを知らないのかもしれない。俺の地元力は、異世界では普通にチート級だった。

5.村との出会い

ある日、フワと川で洗濯していると、向こう岸で三人の村人が俺を凝視していた。「おい……あれ、魔獣使いじゃないか?」「いや、魔法使いかも。あんなにフワウルを懐かせるなんて」「怪しいやつだ……!」

どう見ても怪しまれていた。話しかけようとすると、三人はビビって後ずさる。「……こんにちはー」「あ、あぁ……」村人の青年がようやく答える。

話を聞くと、どうやら俺がいる森は“危険地帯”として村から近づかれていないらしい。そりゃあ、フワみたいな魔獣が普通に出るからな。

「村に来ないか? 恩人として歓迎する」最年長らしい老人が言ってくれた。どうやら食料問題を抱えているらしい。作物があまり育たないのだという。

「それなら……少し見せてください」村の畑を見た瞬間、俺は思った。(ああ、これ……全然ダメな土だ)粘土質で、水はけが最悪。肥料も足りていない。これでは作物が育つはずない。

「土づくりからやりましょう。改善できますよ」 「本当かね!? 魔法か?」 「いえ、技術です」村人たちは目を丸くした。

6.村再生

俺は村の畑を改良した。・溝を掘って水はけを良くし・落ち葉や家畜の糞を使って堆肥を作り・木灰で栄養を補い・畝を高くして通気性を確保する

地元力スキルのおかげで、最適な土の状態が一瞬で分かるのがありがたい。

「ほ、本当に芽が出たぞ……!」「うちの子供が育てた野菜より元気だ!」「すげぇ……あんた、魔法使いよりすげえんじゃねぇか?」

「あはは……ただの農家ですよ」こうして、村人との距離は一気に縮まった。

村長が言った。「よかったら、この村に住まぬか? 家も土地もやる」 「……いいんですか?」 「もちろんだとも!」こうして、俺の異世界スローライフは正式にスタートしたのだった。

7.料理と笑顔とフワの腹

村に住み始めて数日。作物は順調に育ち、フワは順調に太っていた。「お前……最近丸くなってない?」 「きゃむ(誤魔化し顔)」

俺は採れたての野菜でスープを作り、村人と一緒に食べた。味は素朴だが、笑顔があふれる。

「うまい……!」「この野菜の甘さ、なんだ!?」「あんたの作る料理、店出せるよ!」ただの家庭料理なのに、皆が驚いてくれるのが嬉しい。

「この村なら、ゆっくり生きていけそうだな……」そう感じた矢先――。

8.騎士団の来訪

突然、村に鎧を着た一団が押し寄せてきた。「この村で、魔獣を従える謎の“魔法使い”がいると聞いてきた」いや、フワだけなんですけど。

誤解されては困るので、事情を話すと、騎士団長がこう言った。「その技術、ぜひ王都に伝えてほしい!」 「えっ、王都!?」 「我が国は食糧難で悩んでいる。君の力が必要なのだ」

村人が困ったように俺を見る。俺は――。「すみません。俺はこの村で、のんびり暮らしたいんです」王都へ行けば、きっと忙しくなる。あくせく働くために異世界へ来たわけじゃない。

団長は驚いたが、やがて苦笑した。「……君のような人間は久しぶりだ。しかし分かった。我々からも村を守るようにしよう」こうして騎士団は帰っていった。

9.スローライフは続く

夕暮れの畑で、俺はフワと並んで座っていた。風が心地よく吹き、畑は順調に育ち、村の子供たちの笑い声が遠くから聞こえる。

「なあフワ……ここで暮らしていくの、悪くないよな?」 「きゃむ!」

俺は空を見上げた。たしかにここは異世界だ。でも、やることはそんなに変わらない。土を触り、人と話し、食べて、眠る。ただそれを、もっと自由にやっていい世界。

「……ようし、明日は畑をもう一段広げるか」 「きゃむっ!」

こうして俺の異世界スローライフは、今日もゆっくりと、穏やかに進んでいく。


――完――

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