誤解と告白
学園祭前日、クラスでは最後の準備が慌ただしく進んでいた。二人はペアで看板作りを任され、教室の隅で色とりどりの絵の具を広げる。
「山田、もうちょっと左!あ、塗りすぎ!」
「あ、ごめん…敦子の指、塗っちゃった?」
敦子は指先の絵の具を見て、思わず笑った。「もう、山田ってば…でも、私も楽しいから許す!」
夜も更け、教室に残るのは二人だけ。少し照れながら、自然と本音トークになる。
山田は深呼吸して、小さな声で告白した。
「なんでだろうな…敦子といると、オレ、楽しいんだよ」
敦子は目を丸くし、少し間を置いてから答える。
「…私も、山田といると、楽しい。うるさいけど」
二人は顔を見合わせ、自然と笑顔になる。教室の時計が静かに時を刻む中、誰もいない教室は二人だけの空間だった。
翌日、クラス全員が集まると、二人の距離は一目でバレてしまった。
「えっ、山田と敦子って…!?」
「や、やめてよ!恥ずかしい!」
二人は同時に赤面しながらも、笑いをこらえられない。クラスは大盛り上がり。こうして、甘酸っぱくてドタバタな恋の結末が、笑いとともに幕を閉じた。


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