第三部:沈黙の方程式
第一章 町の異常
連続事件が終わっても、町は何も変わらなかった。
新聞は事件を小さく扱い、噂はすぐに消えた。
木島悠斗は違和感を覚える。
――なぜ、誰も怒らない?
第二章 消される記事
木島が書いた追跡記事は、すべて差し戻された。
理由は同じだ。
「裏が取れない」
だが木島は知っている。
裏は、最初から存在しないように消されている。
第三章 町の成り立ち
彩香は図書館の古文書から、奇妙な共通点を見つける。
大学、病院、市役所。
主要施設はすべて、同じ時期に整備されていた。
まるで――一つの実験場のように。
第四章 沈黙の協定
篠森警部は、ついに真実を語る。
「この町には、暗黙のルールがある」
重大事件は、外に出さない。
町の存続を守るために。
第五章 最後の数式
木島の元に、差出人不明の封書が届く。
中にあったのは、一つの数式。
x(x−1)(x−2)=0
解は「0」「1」「2」。
それは――町の階層構造を示していた。
第六章 真の被験者
20年前の実験の目的。
それは、集団が沈黙を選ぶ条件を調べることだった。
被験者は、町そのもの。
住民全員が、無自覚に参加していた。
第七章 彩香の選択
彩香は思い出していた。
失踪した子どもは、助けを求めていた。
だが周囲の大人たちは、見て見ぬふりをした。
沈黙を選んだのは、犯人だけではない。
第八章 告発
木島は決断する。
全国紙への内部告発。
町を敵に回してでも、真実を出す。
第九章 崩れる均衡
記事は拡散し、取材が殺到する。
町は初めて、外から問われる。
沈黙は、破られた。
第十章 裁かれるもの
裁かれたのは、特定の誰かではない。
町の構造そのものだった。
責任は分散され、誰もが少しずつ罪を負う。
第十一章 方程式の解
沈黙の方程式の解は、単純だった。
誰もが少しずつ悪いとき、誰も罪を認めない。
第十二章 その後
町は変わらない。
だが、知った者は戻れない。
木島は新しい街へ向かう。
彩香は、残ることを選んだ。
沈黙は完全には消えない。
それでも――物語は終わった。
ー完ー


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