第二部:黒い連鎖
第一章 模倣の数式
第一部の事件から三か月後。
町は、何事もなかったかのように日常を取り戻していた。
だが、再び数式が現れる。
地方銀行の支店長・岩永が、自宅書斎で死亡しているのが発見された。机の上には、血で書かれた数式。
x2−7x+10=0
解は「2」と「5」。
木島悠斗は、背筋に冷たいものを感じた。
――これは、偶然ではない。
第二章 連続か、関連か
篠森警部は慎重だった。
「前の事件との関連は、今のところ不明だ」
だが木島は確信している。
第一部の事件を知る者でなければ、この手口は使えない。
そして数日後、三件目が起きた。
第三章 三つ目の死
三人目の被害者は、市役所の元職員だった。
死因は事故死とされたが、現場の壁に、チョークで小さく数式が書かれていた。
x2−6x+8=0
解は「2」と「4」。
共通するのは、全員が20年前の失踪事件に関与していたという事実だった。
第四章 犯人は一人ではない
木島は気づく。
数式の解はすべて「2」と別の数字。
「2」は共通項。
もう一つの数字は、当時の関係者の役職番号を示していた。
つまり――
犯人は一人ではない。
第五章 佐伯の告白
追及された佐伯は、ついに口を開く。
「俺たちは……守ったんだ」
20年前、大学の研究で行われていた非公式な心理実験。
被験者は、町の子どもたちだった。
第六章 消された記録
実験は事故を起こし、一人の子どもが行方不明になった。
町は選んだ。
真実よりも、平穏を。
そのために、複数人が沈黙し、記録を消した。
第七章 彩香の崩壊
彩香は数式を見て、突然倒れた。
「思い出した……」
彼女こそ、当時の被験者だった。
そして、失踪した子どもを最後に見た人物。
第八章 復讐の連鎖
犯人たちは、被害者の遺族と関係者で構成されていた。
単独ではなく、役割分担された復讐。
殺す者、導く者、沈黙を破らせる者。
第九章 止められない正義
篠森は言う。
「これは正義じゃない」
だが犯人の一人は答える。
「正義じゃない。でも、必要だった」
第十章 黒い連鎖の終点
連続事件は終息する。
だが全容は、公表されなかった。
再び、町は沈黙を選ぶ。
第十一章 暴かれない真実
木島は記事を書き上げるが、掲載は見送られる。
「まだ早い」
編集長の一言だった。
第十二章 方程式は未完成
彩香は言う。
「まだ、足りない」
町そのものが、何かを隠している。
木島は理解する。
この連鎖は、まだ終わっていない。


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