社畜転生スローライフ ~神様に導かれ、小さな村で畑を耕す~③【AI】

小説・創作

第3章:初めての仲間、そして小屋づくり

ミルルスープの香りが漂う朝。 畑の若葉が朝露に光り、川辺ではリーフラビットたちが跳ね回っている。

「今日こそ、小屋を完成させよう!」 リナが気合いを入れる。 俺たちの生活は、まだ焚き火とテント頼みだ。 雨が降れば寝床も濡れるし、夜は冷える。

昨日、森で見つけた倒木を運び、枝を削って土台を作る。 会社でのデスクワークしか知らなかった俺にとって、すべてが初めての作業だった。

「あ、そこ! 釘じゃなくて蔓を使って結んで!」 「了解、リーダー!」

リナの指示に従って手を動かすうち、手のひらにマメができていた。 だが、不思議と痛くない。 むしろ“生きてる”と実感できた。

森からの訪問者

昼を過ぎたころ、森の向こうから誰かの声が聞こえた。

「おーい! 人の気配がしたと思ったら、本当に誰かいるとはな!」

振り向くと、肩に木材を担いだ屈強な男が立っていた。 髭をたくわえ、日に焼けた腕には無数の傷跡。 「俺はガルド。木こりをしてたんだが、村が魔物に襲われてな……行き場を失っちまった。」

リナと目を合わせる。 「……よかったら、ここで一緒に暮らさない?」とリナが微笑んだ。 ガルドは驚いたように目を見開き、そしてゆっくりと笑った。

「……そうか、ここは“始まりの村”かもしれねぇな。いいだろう、俺も手伝わせてもらう!」

三人で作る、小さな拠点

ガルドの力は頼もしかった。 俺とリナが半日かけても動かせなかった丸太を、彼は軽々と持ち上げる。

「おい新入り、釘代わりにこの“森鉄草”を使え。乾くと石みたいに硬くなる。」 「マジか……さすが異世界。」

夕方、ようやく小屋が形になった。 壁は木の板で、屋根は大きな葉で覆った。 完璧ではないが、雨風はしのげそうだ。

「よし、これで今日から“屋根のある暮らし”だな!」 「うん! ここが、私たちの村の第一号の家だね!」

焚き火を囲み、三人で簡単な夕食をとる。 リナが煮込んだスープの湯気が、薄暗い小屋の中をやさしく包む。 ガルドは黙々と食べながら、時折こちらを見る。

「……こんな穏やかな夜は久しぶりだ。」 「俺もだ。仕事も競争もない、ただ生きるだけの時間がこんなに幸せだなんてな。」

外ではリーフラビットたちが跳ね、夜空には満天の星が輝く。 神様がくれた第二の人生——ようやく、“始まり”を感じた夜だった。


次回予告:第4章「村の名と、新たな来訪者」

小屋が完成し、村の形が見え始める。 しかし、静かな森に現れた謎の少女が、三人の運命を大きく変えていく……。


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