第一章 風の吹く村
エルディア大陸北端、山脈と草原に抱かれた小さな村――リュネ。 風は一年を通して止むことがなく、村人たちはそれを「空の息吹」と呼んでいた。
少年レインは、村外れの丘で空を眺めるのが好きだった。 父も母も知らず、血縁と呼べる者はいない。 それでも村は彼を受け入れ、彼もまた、この世界を疑うことなく生きていた。
第二章 黒き夜の襲撃
その夜、風は異様なほど静かだった。 空気が張りつめ、虫の声すら消え失せていた。
最初に響いたのは、鐘の音ではない。 悲鳴だった。
黒装束の兵士たちは、迷いなく村を焼き払った。 剣は容赦なく振るわれ、魔法は家々を粉砕する。
逃げ惑う中、レインは追い詰められる。 その瞬間――空が、応えた。
第三章 蒼天の加護
風が渦を巻き、レインの身体を包み込む。 視界が白に染まり、時間が引き伸ばされたかのように感じられた。
次の瞬間、黒装束の兵士は宙を舞い、地面へと叩きつけられていた。
「……なんだ、これ……」
恐怖よりも先に、理解不能な現実が彼を襲った。
第四章 女剣士リオネ
燃え落ちる村の中で、レインは一人の女剣士と出会う。 銀髪、鋭い眼差し、そして迷いのない剣筋。
彼女の名はリオネ。 かつて「風の王国」に仕えていた近衛剣士だった。
第五章 追われる理由
帝国アルグレイムは、レインを「災厄の種」と呼んだ。 蒼天の加護を持つ者は、世界を揺るがす存在だからだ。
逃亡の旅の中で、レインは知る。 自分の力が偶然ではないことを。
第六章 風の王国の真実
かつて存在した風の王国は、帝国によって滅ぼされた。 理由はただ一つ―― 「天空王の血を断つため」。
第七章 名もなき少年の選択
レインは剣を取る。 それは復讐のためではない。
「俺は……この世界を知りたい」
風が、再び彼の背を押した。


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